約10年前から右手に筆を持って、一からコツコツ練習しています。
今回は、仮名の臨書練習をしました。
高野切第三種 伝 紀貫之筆 平安時代 949こうやぎれだいさんしゅ でん きのつらゆきひつ
よのなかをいとふやまぢのくさきとや
あなうのはなのいろにいでにけむ
変体仮名
餘のな可をいとふやまぢ能くさ支とや
あ那う能者那のいろにいで尓介む
半紙半分に2行で書きました。
お手本は、二玄社の日本名筆選5 高野切第三種です。お手本とほぼ同じ倍率で書いています。
アップで見ると、たどたどしさが目立ちます。おそらく利き手で書かれる人と比べて、倍以上の時間を掛けて書いています。また書き慣れてくると、線も変わってくるかな・・・地道に頑張ります。
現代語訳
世の中を厭わしく思って住む山辺の草木に私はなったということで、山里に咲く卯の花のように、ああいやだという気持ちが顔に出てしまったのであろうか。
草木 ⇒ 自分を見立てる。具体的には、「卯の花」。
あなう ⇒ 「憂」と「卯」を掛ける。
●諸注が多く、卯の花が「憂し」という思いを花の色に表している、と解するが、卯の花が主語で厭世観を詠む歌を並べた配列が乱れる。
(角川ソフィア文庫 高田祐彦 訳注 新版 古今和歌集 平成21年 p.419)
この本は、すごく勉強になります。学生時代、あまり古文の勉強をした記憶がないので尚更(-_-;)
仮名の臨書をされている方は、ただ臨書するだけではなくて現代語訳も知ることで、楽しさが広がると思いますよ。