高野切第三種 伝 紀貫之筆 平安時代 963こうやぎれだいさんしゅ でん きのつらゆきひつ
をのゝはるかぜ
あまびこのおとづれじとぞいまはおも
ふわれかひとかとみをたどるよに
変体仮名
をのゝはるかぜ
あまびこの於とづれじと曽いま者おも
ふわれ可ひと可とみを多登るよ尓
お手本は、二玄社の日本名筆選5 高野切第三種 です。半紙を半分にして書きました。約15分くらいかかっています。
行間は違いますが、お手本とほぼ同じ倍率で書いています。
私の練習方法は、お手本をカラーコピーし、それを1行ずつ縦に折り、なるべく半紙の横に近づけて書いています。
現代語訳
小野春風
山びこのようにすぐにお便りに答えてお尋ねすることはできそうもないと今は思います。あまりの嘆きに、自分と他人との区別がつかなくなっておりますので。
あまびこ ⇒ 例の少ない語。山びこ。
おとづれじ ⇒ 「じ」は打消可能と見て、訪問しようにもできない、の意ととるべき。
たどる ⇒ 手探りで進む意。ここは悲嘆のあまり自他の区別も容易につかない状態。それゆえ、山びこのように相手の見舞いに応えることもできにくいという。
(角川ソフィア文庫 高田祐彦 訳注 新版 古今和歌集 平成21年 p.422)
しばらく体調を崩していましたので、すごく久しぶりの仮名臨書です。
久しぶりに書いてみると、やっぱり臨書って楽しい!
まだまだ書きたい仮名や古典があるので、またコツコツ書いていきたいと思います。