高野切第三種 伝 紀貫之筆 平安時代 956こうやぎれだいさんしゅ でん きのつらゆきひつ
やまほうしの
もとにつかはしける
凡河内躬恒
よをすてゝ
やまにいるひと
やまにても
なほうきときは
いづちゆくらん
変体仮名
やまほうし能
毛とにつ可はしける
凡河内躬恒
よを須てゝ
やまにいるひと
やまにても
なほうきと支は
いづちゆくらん
まだ寒い日が続いて、手がかじかんでしまうのですが、気合を入れてこつこつ書いています。
お手本は、二玄社の日本名筆選5 高野切第三種 です。お手本とほぼ同じ大きさで、半紙に入るように書きました。
1枚を書くのに、ゆっくりゆっくり20分以上かかっています。私は緊張しやすい性格なので、最後の方になればなるほど「間違えて書いてしまったら、また最初から・・・」というプレッシャーを感じていると、線が震えてきます。
書き終えると、変に力が入り過ぎていたのでしょうね・・・軽く腱鞘炎です(笑)
現代語訳
世を捨てて山に入る人は、山でもまだつらいことがあった時には、いったいどこへ行くのだろうか。
山 ⇒「山」だけで比叡山を表す場合もあるが、ここは一般的な意味か。
隠遁生活の困難を思う、というよりも、隠遁者へのユーモラスな皮肉や揶揄が感じられる。二三句のリズムにもそうした感じが表れている。
(角川ソフィア文庫 高田祐彦 訳注 新版 古今和歌集 平成21年 p.421)